小説家の瀬戸内寂聴さんがテレビのインタビューでなさっていたお話。
八十も半ばを超えた寂聴さん、二年ほど前に携帯電話を買ってメールを始められたのだそうです。教わるのが恥ずかしいのでマニュアルと首っ引きでなんとか送れるようになったのだとか。
ある日とても偉い方にメールを送ろうとしたのだそうです。絵文字を入れようとしたら、ハートマークが入ってしまいました。困った、困った。けれど、どうやれば消えるのか分からない。仕方がないので「すみません。ハートマークの消し方が分からないので、そのままお送りします。ご容赦ください」と書いたのだそうです。
しばらくして戻ってきた返事に次のように書いてあったそうです。
「ハートマークの隣にある、broken heart(壊れたハートマーク)を押すと、消えますよ」
「あら、そうですか。ありがとうございます」とお返事を書いた寂聴さん、しばらくはその話を信じていらしたそうです。